リフタスフェルトの文化的及び植生景観(読み)リフタスフェルトのぶんかてきおよびしょくせいけいかん

世界遺産詳解 の解説

リフタスフェルトのぶんかてきおよびしょくせいけいかん【リフタスフェルトの文化的及び植生景観】

2007年に登録された南アフリカ共和国の世界遺産(文化遺産)で、北ケープ州の、荒々しい岩場の峡谷や高い山々、砂漠からなる荒涼とした一帯に位置する。ここはナマカランドと呼ばれる地域の北部にあたる乾燥地帯で、降雨は滅多になく、夏には気温が50度を超える厳しい自然環境下にある。この自然環境の中でも、650種に及ぶ植物が生育している。厳しい自然に適応した植物は、アロエディコトマやアロエなど多肉植物が中心で、このような種類の植物の多様性では、リフタスフェルトは世界トップクラスといえる。また、グレイリーボック、ダイカー、ステインボック、クリップスプリンガー、クードゥー、マウンテンゼブラ、ヒヒベルベットモンキーカラカルヒョウなどの動物が生息しているほか、多様な鳥類が住んでいることからバードウォッチングのスポットとして知られる。一方、この地域にはナマ族が暮らしている。ナマ族は半遊牧民で、現在も伝統的な遊牧生活を営み、移動式住居のハル・オムスに暮らす人々である。こうした厳しい自然環境に適応した伝統的な生活や文化が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はRichtersveld Cultural and Botanical Landscape

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android