バードウォッチング(読み)ばーどうぉっちんぐ(英語表記)bird watching

翻訳|bird watching

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バードウォッチング」の意味・わかりやすい解説

バードウォッチング
ばーどうぉっちんぐ
bird watching

野外で、野生の状態で生活している鳥を見ることをいう。日本では野鳥観察探鳥などの語でよばれることが多い。また、イギリスでbird watchingというのに対し、アメリカ合衆国ではbirdingが用いられている。しかし、鳥学者や鳥の研究者が野外で鳥を調べる行為はこのようにはよばず、鳥を見て楽しむ趣味的な行為だけをよぶ。

 1889年イギリスで、鳥を捕殺すること、飼育すること、卵や雛(ひな)を捕殺することなどに反対して、英国王立鳥類保護協会The Royal Society for Protection of Birdsが設立され、鳥を見て楽しむことが普及することとなった。この考え方は、G・ホワイト、W・H・ハドソンなどの作品によく示されている。バードウォッチングはこうしてイギリスで始められた趣味であるが、20世紀に入って広く世界に知られるようになった。日本では1935年(昭和10)前後に、京都の川村多実二(たみじ)、東京の中西悟堂(ごどう)らによって行われるようになり、現在に至っている。日本野鳥の会は、バードウォッチングが好きな人たちが集まって1934年につくった会である。

[柳澤紀夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「バードウォッチング」の解説

バードウオッチング

野鳥観察。観察には主に双眼鏡フィールドスコープが使われる。また、バードウオッチングでは聞きなしを覚えることも大切。これは、鳥の鳴き声を人間の言葉に置き換えたもので、「法、法華経(ウグイス)」「仏法僧(コノハズク)」などがある。一方で、絶滅危惧に瀕している野鳥の保護活動が進められている。コウノトリは国の特別天然記念物で両翼を広げると2mにもなる大型・白色の鳥で、極東を中心に約2000羽が生息すると推定される。しかし、日本では昭和46年に豊岡盆地(兵庫県)で国内最後の野生コウノトリが姿を消した。以降は保護増殖センター等で人工飼育され、2007年10月現在の飼育数は98羽。05年9月からは野生化に向け試験放鳥が始まり、あわせてコウノトリ目撃情報の収集を行っている。沖縄本島の北部のみに生息するヤンバルクイナは外来種のマングースや野良猫などによる捕食で生息数約1000〜2000羽に減少。飛べないため道路横断中の交通事故の死亡も増加。現在は捕食から守る保護シェルターを設置するなど保護活動が進められている。

(松倉一夫 アウトドアライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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