日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリップスプリンガー」の意味・わかりやすい解説
クリップスプリンガー
くりっぷすぷりんがー
klipspringer
[学] Oreotragus oreotragus
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。イワトビレイヨウともいう。アフリカの東部から南部に分布し、茂みの多い岩石地帯や山岳地帯に生息する。肩高50~60センチメートル、体重18キログラム。角(つの)は雄だけにあり、長さ16センチメートルほどでスパイク状。体は黄褐色で腹面は白い。ひづめは岩場を歩くのに適し、その接地面は幅2.5センチメートルぐらいである。普通は単独、ときに2~8頭の小群で暮らし、岩の間の木の葉や草を食べるが、イネ科の草はほとんど食べない。ジャンプ力が驚くほど強く、高さ7.2メートルも跳びはね、9メートルも崖(がけ)を飛び降りたりする。妊娠期間約214日で、出産は雨期かその直前が多いが、ほぼ一年中みられる。
[今泉忠明]