リリエンフェルト(読み)りりえんふぇると(英語表記)Paul von Lilienfeld

日本大百科全書(ニッポニカ)「リリエンフェルト」の解説

リリエンフェルト
りりえんふぇると
Paul von Lilienfeld
(1829―1903)

ドイツ系ロシア人の社会学者。ペテルブルグ市参事会員などを歴任した。社会学のなかでは生物学的社会学の立場のもっとも典型的かつ極端な代表者である。H・スペンサー、シェフレ、フーリエ、ウォルムスなどと比肩される。したがって徹底した社会有機体説をとるが、この場合でも、単なる類比的な有機体とみるのではなく、真の有機体としてとらえている。その限りにおいて社会学はまさに生物学の一部門にすぎないものとされている。このことから当然『未来の社会科学』(1873~1881)において社会病理を扱い、医学的意味での治療学に比すべき社会治療学を提唱した。社会有機体説に加えられた一般的批判は彼の場合にも当てはまる。19世紀末に社会学の体系化を大胆に打ち出したことは評価すべきであるが、彼の学説は、社会学の今日的課題を解決するためにはやはり旧説に属する。

[鈴木幸寿]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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