日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リンゼー(Nicholas Vachel Lindsay)
りんぜー
Nicholas Vachel Lindsay
(1879―1931)
アメリカの詩人。中西部イリノイ州の出身。シカゴ、ニューヨークで美術を学ぶ。シカゴの新しい詩誌『ポエトリ』に『ブース将軍、天国に入る』(1913)を発表し、その力強い詩風で注目を浴びた。1912年「美の福音(ふくいん)」の朗読講演を各地で始め、素朴かつ流麗、原始的な呪誦(じゅしょう)の響きが民衆の想像力をとらえ、一躍時代の寵児(ちょうじ)となった。イギリスにもしばしば招かれて朗読会を行った。代表的詩集『コンゴ川その他の詩』(1914)や、選詩集『ダニエル・ジャズ』(1920)がある。1931年、故郷で借財と敗北感に責めさいなまれ自殺。
[新倉俊一]