ルーセル(Albert Roussel)(読み)るーせる(英語表記)Albert Roussel

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルーセル(Albert Roussel)
るーせる
Albert Roussel
(1869―1937)

フランスの作曲家。トゥールコアン生まれ。初め海軍士官としての生涯を歩み始めたが、1894年、軍職を去り、音楽家となる決心をする。オルガン奏者ジグー、ついでスコラ・カントルムでダンディ師事。1902~14年には母校で教鞭(きょうべん)をとり、門下バレーズ、サティらがいる。ダンディや印象主義の影響下に作品を書き始めるが、やがて対位法的書法やインドの旋法などを巧みに利用した堅固な形式感と独特のリズム感にあふれた独自の新古典主義的作風を確立した。ロワイヤンに没。主要作品には、オペラ『パドマーバティ』(1918)、バレエ音楽『蜘蛛(くも)の饗宴(きょうえん)』(1912)、同『バッカスアリアーヌ』(1930)、同『エネアス』(1935)、四曲の交響曲、交響詩『喚起』(1911)、同『春の祭のために』(1920)、管弦楽曲『ヘ調の組曲』(1926)、同『小組曲』(1929)、弦楽オーケストラのための『シンフォニエッタ』(1934)、弦楽四重奏曲ニ長調(1932)、合唱曲『詩篇(しへん)第80編』(1928)などがある。

[寺田兼文]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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