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組曲 くみきょくsuite

翻訳|suite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

組曲
くみきょく
suite

いくつかの小曲あるいは楽章からなる器楽曲。 (1) 古典組曲 バロック時代の最も重要な器楽形式の一つ。舞曲の性格をもつ同一調性の小曲の連鎖からなる組曲は 16世紀に起こり,17世紀初めに四つあるいはそれ以上の楽章で構成される,統一された形式となった。 17世紀中頃ヨハン・ヤーコプ・フローベルガーによってアルマンドクラントサラバンドジグというバロック後期の組曲の標準的な配列の基礎ができた。 (2) 近代組曲 古典組曲は 18世紀半ばヨハン・ゼバスチアン・バッハを頂点として消滅していき,近代組曲が 19世紀後半に確立された。古典組曲のような一定の型をもたない自由な性格のもので,一般にオペラやバレエの音楽,あるいは劇の付随音楽のなかから数曲を取り出して一連の管弦楽曲とした。ジョルジュ・ビゼーの『アルルの女』,エドワルド・グリーグの『ペール・ギュント』,ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの『くるみ割り人形』などがある。

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デジタル大辞泉の解説

くみ‐きょく【組曲】

数個の小曲または楽章を組み合わせて、一つの作品とする器楽曲。

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百科事典マイペディアの解説

組曲【くみきょく】

小曲や楽章をいくつかまとめた器楽曲で,バロック時代の代表的形式。その起源はルネサンスにおける性格の異なる二つの舞曲の組合せにあり,バロック後期になると,アルマンドクーラントサラバンドジーグという緩急と拍子が対照的な二つの組が基準になった。
→関連項目シャコンヌ前奏曲ブーレ

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世界大百科事典 第2版の解説

くみきょく【組曲 suite】

対照的な性格をもついくつかの舞曲を組み合わせた多楽章の器楽曲。バロック時代に好んで用いられた古典組曲と19世紀後半以来の近代組曲がある。古典組曲の最も標準的な形式は,J.S.バッハの《フランス組曲》や《イギリス組曲》に見られる楽章構成で,アルマンド―クーラント―サラバンド―x―ジーグからなり,xの位置には,メヌエット,ブーレ,ガボットパスピエなど任意の舞曲が挿入される。性格や拍子の異なる舞曲を1対にして演奏することは,中世の時代から見られたが,16世紀に入ってから一般的に行われるようになり,ゆるやかな2拍子系と速い3拍子系の舞曲が,パバーヌ―ガリアルダ,パッサメッゾサルタレロなどの形で組み合わされることが多かった。

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大辞林 第三版の解説

くみきょく【組曲】

器楽曲の一形式。いくつかの曲を組み合わせて、一つの曲としたもの。一七、八世紀に盛んであった古典組曲と、一九世紀以降発展した管弦楽用ピアノ用などの近代組曲とに大別される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

組曲
くみきょく
suite 英語 フランス語 イタリア語

西洋音楽の器楽曲の形式。(1)バロック時代の組曲は、同一の調性による数楽章(多くは舞曲)からなる器楽曲。一般にはアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4種の舞曲に、さまざまな舞曲や標題のついた曲が加わる。(2)1850年以降は、オペラやバレエの抜粋や、標題をもつ曲を一まとめにした作品などを示すことばとなった。
 組曲ということばの定着は1790年代と意外に遅く、それまでは舞曲名を並記していた。また、ordre(オルドル)、pice de clavecin(クラブサン組曲)、partita(パルティータ)などの名称も並行して用いられている。しかし、いくつかの舞曲を続けるという発想自体は14世紀ごろから存在しており、16世紀には静かな2拍子系の舞曲と活発な3拍子系の舞曲の一対が好まれた(たとえば、パバーヌとガイヤルド)。イタリアのリュート曲にはさらに3種、4種の組合せもある。1610年代のドイツでは、同じ数の舞曲をつねに同じ順序で並べた器楽合奏曲集が次々と出版された。しかし、17世紀に流行した新しいタイプの舞曲のなかからアルマンド、クーラント、サラバンドという組合せを定着させたのは、フランスのリュート奏者たちであった。1650年ごろには、これにジーグが加わる。この4種の組合せは、フランスのクラブサン奏者(シャンボニエール、ルイおよびフランソア・クープラン、ラモー)が愛好し、フローベルガーを通じてドイツにも広まり、組曲のもっとも標準的な型となった。しかし、フランスの組曲は、前奏曲と複数のクーラントをもち、ジーグのあとにさまざまな曲が続き、メヌエットやシャコンヌで終わる。挿入曲の数は一定せず、また各曲間の関係もないので、適宜取捨選択することも可能であった。これに対してドイツの場合は、初めの数楽章に主題の関連があり、サラバンドとジーグの間に舞曲が挿入されることが多く、楽章数は一定になる傾向が強い。J・S・バッハの『チェロ組曲』や『イギリス組曲』では、舞曲の様式はフランスに近いが、組曲の基本的構造はドイツ式である。イタリアではすでに17世紀中ごろから舞曲楽章を含む「室内ソナタ」が発達しており、18世紀にソナタが全ヨーロッパに広まるにつれて、組曲はしだいに沈黙していった。なお、当時の管弦楽用組曲も前述の標準型とは異なり、リュリのバレエ音楽(その抜粋がオペラの幕間やルイ14世の前で演奏された)の影響が強い。序曲のあとにさまざまな舞曲が続くもので、ヘンデルの『水上の音楽』やテレマンの『昔と今の諸国民』などがある。
 19世紀中ごろ、それまでソナタや交響曲の前に姿を消していた組曲が新たな興味の対象となる。たとえば、バロックの組曲を模倣しながらもチェロに名人芸を発揮させたり(サン・サーンスの『チェロとピアノのための組曲』作品16)、十二音技法を用いたりする(シェーンベルクの『組曲』作品25)。あるいはオペラやバレエから作曲家自身が数曲を抜粋して発表する(ビゼーの『アルルの女』、グリーグの『ペール・ギュント』、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』と『眠りの森の美女』など)。そして1880年代には、もはや珍しい存在ではない。もっとも数が多いのは、標題をもつ作品で、マスネの『ハンガリーの情景』、ビゼーの『子供の遊び』、ムソルグスキーの『展覧会の絵』などがある。また19世紀の末には、異国情緒や民族色の強い作品が好んで作曲された(サン・サーンスの『アルジェリア組曲』、リムスキー・コルサコフの『シェヘラザード』など)。なお、ベルクの弦楽四重奏のための『叙情組曲』(1926)は、各楽章のテンポにちなんでつけられた名称である。[関根敏子]

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世界大百科事典内の組曲の言及

【舞曲】より

…また,ステップを克明に記した舞踏譜も出版された。17世紀に入ると,性格の異なる舞曲を連ねて組形式とする前世紀からの習慣が発展し,新たに組曲が誕生した。その際,上記の舞曲に代わって緩やかな偶数拍子系のアルマンド,速い3拍子で軽快なテンポのクーラント,サラバンドジーグ,さらにはブーレガボットメヌエットといった宮廷舞曲が組み合わせられた。…

※「組曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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