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ロコモティブシンドローム ろこもてぃぶしんどろーむ

知恵蔵の解説

ロコモティブシンドローム

身体を動かすのに必要な器官に障害が起こり、自分で移動する能力が低下して要介護になる危険度が高い諸症状のこと。日本整形外科学会が提唱している概念で、2012年に厚生労働省が発表した第2次健康日本21では、10年後の22年までにこのシンドロームに対する国民の認知度を80%まで上げることを目標に掲げている。日本語名は「運動器症候群」、略称を「ロコモ」という。
例えば歩く場合、目などから入ってくる外界の情報を脳で受け止め、状況を判断した上で動作の指令を発し、神経がそれを手足に伝えて関節や筋肉を動かすというように、一連の器官が協調して働いている。そのため、歩行困難の原因を考える場合、単に骨、関節、筋肉の衰えだけにとどまらず、感覚器や神経などの働きも含めて捉える必要がある。
ロコモティブシンドロームは、特に高齢者において要支援・要介護に至る前の健康寿命をいかにして長く保つかという視点から、各器官の機能低下だけでなく、全身的な協調性に着目するもの。厚生労働省の調査によれば、要支援・要介護になる原因の1位は運動器障害であり、よく知られている脳血管障害や認知症よりも高率であることから、同シンドロームの予防は健康寿命延長の大きなファクターとなりうる。
ロコモティブシンドロームかどうかのチェックポイントとして、日本整形外科学会が挙げているポイントは次の7点。(1)片脚立ちで靴下がはけない、(2)家のなかでつまずいたり滑ったりする、(3)階段を上るのに手すりが必要である、(4)横断歩道を青信号で渡りきれない、(5)15分ぐらい続けて歩けない、(6)2キログラム程度の買い物をして持ち帰るのが困難である、(7)(布団の上げ下ろしなど)家のやや重い仕事が困難である。

(石川れい子  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ロコモティブシンドローム

日本整形外科学会が2007年、筋肉や骨などの運動器の障害による要介護の状態や、要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉として定義した。ロコモティブは骨や関節、筋肉、神経など体を動かす組織すべてを指す「運動器の」という意味。それがうまく機能しなくなった状態を、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と言う。50歳以降に運動器の障害が多発しているのをきっかけに提唱した。昨年、運動器の低下度がわかる三つの「ロコモ度テスト」を発表した。

(2014-01-09 朝日新聞 朝刊 石川全県 2地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

ロコモティブ‐シンドローム(locomotive syndrome)

骨・関節・筋肉など体を支えたり動かしたりする運動器の機能が低下し、要介護や寝たきりになる危険が高い状態。国の介護予防・健康対策などの方針を受けて、日本整形外科学会が平成19年(2007)に提唱。自己診断法のロコチェックや、予防運動のロコモーショントレーニングロコトレ)の実践を呼びかけている。運動器症候群。ロコモ。ロコモティブ症候群
[補説]運動器のことを英語でlocomotive organということからの名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロコモティブシンドローム
ろこもてぃぶしんどろーむ

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