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ワリャーク わりゃーく

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知恵蔵2015の解説

ワリャーク

中国が保有する6万7千トン級の航空母艦。2011年8月に試験航行が行われ、1年間の訓練後、12年8月の建軍記念日には正式就役を目指すと伝えられている。中国軍にとって初の空母として、14年までには重ねて装備を整えるという。中国は太平洋戦争後の東アジアで唯一の空母保有国となり、更に数隻の同規模の空母や原子力空母の建造を目指している。
艦名は日露戦争に就役した巡洋艦に因み、中国語表記は瓦良格。仮名ではワリャークワリャーグの他、ヴァリャーグ、ワリャクなどとも表記される。元々は旧ソ連太平洋艦隊の空母として、1988年にウクライナの黒海造船工場で進水したものの、建造半ばにして91年のソ連崩壊を迎え、放置されていた。後にほとんどの機器が船体から取り外され、スクラップとして98年にウクライナから中国系企業に売却された。2002年に大連まで引航された後も、しばらく筐体(きょうたい)の状態で放置されていたが、中国当局により近年になって急速に艤装(ぎそう)が進められ、11年には試験航行をするまでに至った。
空母は、戦場近くに移動して即時展開することが可能な航空基地の役割を持つ。また、設備の整った正規空母では戦略核攻撃可能な航空機の運用も可能になるため、空母を保有するか否かは軍事的に重要な意味を持つ。現在、世界で正規空母を就役させている国は、米、英、仏、露及び仏から購入した老朽艦を保有するブラジルの5カ国のみであり、短距離離着陸機(STOVL機)などを主な艦載機とする軽空母を含めても、これまで東アジアには空母保有国はなかった。11年に軽空母の退役を控えるインドロシアの退役空母を取得済みで、近年中の就役を目指してロシアで改装中である。中国は10年版国防白書でも海軍作戦能力の強化を示すとともに、南シナ海の領有権問題を巡って関心を強めている。これらの状況から、南シナ海への中国の空母投入なども含めて、アジア全域の海軍力に関するミリタリーバランスが注目されている。

(金谷俊秀  ライター / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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