ワルハラ(読み)わるはら(その他表記)Valholl

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワルハラ」の意味・わかりやすい解説

ワルハラ
わるはら
Valholl

北欧神話の主神オーディンアースガルズに所有する館(やかた)の名。ワルハラは「戦死者の館」を意味する。その屋根は黄金の盾で覆われ、そこにある540の扉からはそれぞれ一度に800名の軍勢が打って出られるという。戦場で勇敢に戦って死んだ勇士たちは、オーディンの命を受けたワルキューリによってこの館に集められ、世界の終末に来襲する巨人勢に備え昼は武事に励み、夕べ宴会を楽しむ。人々は天に昇る火葬の煙から天界に死後の世界を想像したらしく、ワルハラ信仰はバイキング時代から由来するとされる。

[谷口幸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のワルハラの言及

【グリーク・リバイバル】より

…こうした中で,実際にギリシアの様式を用いて建築や工芸品をつくり上げる動きが生じた。97年にはプロイセンにジリーFriedrich Gilly(1772‐1800)がフリードリヒ大王記念物の計画案を,1822年にはエジンバラにコッカレルがナショナル・モニュメント(未完)を,30‐42年にはレーゲンスブルク近郊にクレンツェがワルハラWalhallaを,それぞれパルテノン神殿を模して設計している。こうした動きはギリシア様式の復興という古典主義芸術の試みであると同時に,アクロポリスの丘を再現しようとするロマン主義的な動機に支えられたものであった。…

※「ワルハラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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