旺文社世界史事典 三訂版 「ヴェトナム」の解説 ヴェトナムViet-Nam越南 インドシナ半島東部の国前111年前漢の武帝に征服され,後漢 (ごかん) 代に徴 (チユン) 姉妹の英雄的闘争もあったが,10世紀間中国に支配された。唐滅亡後独立し,丁・黎・李・陳の各王朝が相ついで立った。陳朝時代には3度(1257,85,87)モンゴルの侵入を撃退。1407年明朝に併合されたが,やがて黎朝が独立(1428〜1789)した。17世紀初めから鄭 (てい) 氏・阮 (げん) 氏の2権臣が対立し,18世紀西山党の乱が勃発,阮福映がフランスの援助をうけてこれを破り,1802年統一,清朝は阮を越南王に封じた。ヴェトナムの名はこれに由来する。ナポレオン3世のとき,キリスト教迫害を口実としてフランスが侵入し,仏越戦争(第1次1858〜62,第2次1873〜74)によって1884年フランスの保護国となり,清仏戦争(1884〜85)をへて87年フランス領インドシナに編入された。しかし,フランスの同化政策に反抗して民族独立運動が活発化し,第二次世界大戦中ヴェトナム独立同盟(ヴェトミン)が成立して抗日ゲリラ戦を展開,さらにフランスとも交戦して,1954年ジュネーヴ協定が成立した。南ヴェトナムをめぐっては,アメリカの介入でヴェトナム戦争に発展し,1975年にサイゴンが陥落,翌年に統一選挙が行われてヴェトナム社会主義共和国が全土を統一した。 出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報 Sponserd by