ヴェルナツキー

化学辞典 第2版 「ヴェルナツキー」の解説

ヴェルナツキー(ベルナツキー)
ヴェルナツキー
Vernadskii, Vladimir Ivanovich

ロシア鉱物学者,化学者.サンクトペテルブルク大学理学部を卒業後,1890~1911年モスクワ大学の鉱物学と結晶学教授(1890~1911年)となる.政治的理由で辞任後は,サンクトペテルブルクの科学アカデミーの諸研究所・諸委員会で活躍した.早くからロシアの自由主義運動に加わり,1905年ロシアの革命時には,自由主義政党カデット(立憲民主党)結成に参加した.二月革命後は文部次官も務めたが,十月革命で成立したボリシェヴィキ政権には批判的だった.地球化学の創始者の一人とみられ,その著書“地球化学”(仏語,1924年)は,ロシア語版,ドイツ語版のほか,日本語にも訳され(1933年),日本への地球化学導入に役割を果たした.かれの“生物圏(biosphere)”や“叡知圏(noosphere)”は,生物や人間をも含めた地球全体を対象とした環境思想の先駆けの一つであるとして,最近注目されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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