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結晶学 けっしょうがくcrystallography

翻訳|crystallography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

結晶学
けっしょうがく
crystallography

結晶の形態対称性,内部の原子的構造などを研究対象とする総合科学で,その範囲は物理学,化学,鉱物学,金属学,生物学にわたる。結晶学は 1669年 N.ステノが鉱物結晶について面角安定の法則を発見したことに始り,有理指数の法則,32対称群の分類,ブラベ格子の分類など,形態に関する幾何学が確立された。一方,物理学では 78年 C.ホイヘンス方解石の複屈折を結晶の異方性によって説明したのをはじめとして,種々の物理的性質の異方性と結晶の対称性との関係が詳しく研究された。以上の巨視的な性質の研究が 19世紀中に完成したのに対し,結晶の微視的な構造の研究は 1912年 M. T. F.von ラウエが結晶によるX線回折を発見したことに始り,現在ではX線や電子線の回折による結晶構造の解析,格子欠陥の研究などが中心課題となっている。巨大単結晶をつくる結晶成長の研究は半導体工学などに応用されている最近の成果である。

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デジタル大辞泉の解説

けっしょう‐がく〔ケツシヤウ‐〕【結晶学】

結晶の形態・構造、および物理的・化学的性質を研究する学問

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百科事典マイペディアの解説

結晶学【けっしょうがく】

結晶を研究する科学。結晶の形態や対称性を数学的に研究する結晶形態学点群),結晶の光学的現象を研究する結晶光学結晶構造をX線を用いて解析するX線結晶学(X線回折),結晶の物理的・化学的性質を研究する結晶物理学・結晶化学などの分野があり,特に最後の二つは結晶の工学的応用の分野で脚光を浴び,それとともに結晶合成の研究や電子顕微鏡の発達で結晶成長の機構の解明が盛んである。
→関連項目西川正治

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世界大百科事典 第2版の解説

けっしょうがく【結晶学 crystallography】

結晶学は結晶の種々の性質を研究する学問として発達してきたが,最近では結晶の物理性は固体物理学,化学性は結晶化学,また結晶内部の原子配列はX線結晶学の各研究分野の研究対象に分化している。したがって,現在では結晶のもつ対称の種々の様相を数学的な手法によって研究する分野が結晶学とよばれている。 結晶が自然科学の研究対象となり始めたのは17世紀中ごろからで,デンマークのN.ステノは水晶などの結晶について,面角一定の法則を発見した(1669)。

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大辞林 第三版の解説

けっしょうがく【結晶学】

結晶の形態・構造また物理的・化学的性質などを研究する学問。 X 線による結晶解析なども含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

結晶学
けっしょうがく
crystallography

結晶を研究対象とする学問分野の総称。歴史的には結晶の光学的性質の研究から始まり、19世紀に至って、結晶外形に現れる幾何学的特徴を数学的に論ずる群論的取扱いと、対称に基づく結晶形態の分類の研究が進められた。20世紀に入り、X線回折を利用する結晶構造解析法が創始され、結晶内の原子配列が解明されるようになると、結晶の物理的・化学的性質が原子・分子の性質と関連して微視的に研究され始めた。応用面では、金属材料、高分子材料のようなバルク材料の性質と結晶構造との関係、半導体のようなミクロ材料の機能と結晶構造との関係などが研究開発されている。
 X線などの回折現象に重点を置く結晶学はとくにX線結晶学とよばれるが、結晶の機械的、電気的、磁気的、光学的性質などを研究する結晶物理学、結晶内での化学結合、化学組成、原子や分子の配列と運動性を扱う結晶化学あるいは化学結晶学、また、結晶の成長を動的に扱う結晶成長論などの分野もある。しかし、これらを完全に区別することは困難であり、結晶学は物理学、化学、鉱物学、生物学などの境界に位置するものといえる。[岩本振武]

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