ヴェトナム社会主義共和国(読み)ヴェトナムしゃかいしゅぎきょうわこく(英語表記)Socialist Republic of Vietnam

旺文社世界史事典 三訂版 の解説

ヴェトナム社会主義共和国
ヴェトナムしゃかいしゅぎきょうわこく
Socialist Republic of Vietnam

ヴェトナム戦争終結後の1976年に成立した統一国家。首都ハノイ
1976年4月の統一選挙,6〜7月の統一国会でヴェトナム統一を正式に宣言。ヴェトナム民主共和国の憲法を使用して「プロレタリア独裁国家」と規定。大統領にトン=ドク=タン,首相にファン=ヴァン=ドンを選出し,南の社会主義化をめざす。親ソ路線に傾斜するいっぽう,1978年から民主カンプチア(ポル=ポト政権)に侵攻すると,翌79年2月中国軍が北部国境に侵入して中国−ヴェトナム(中越)戦争が勃発。その後,統一後の大きく遅れた経済を再建するため,1986年のヴェトナム共産党大会で,社会主義市場経済をめざす“ドイ−モイ(刷新)”政策の推進を表明。1993年には農業部門で土地の個人使用,権利の移転を可能にした。また外交面では,1989年9月のカンボジアからの完全撤退後,積極的な全方位外交に転じ,1991年11月中国との国交完全正常化を宣言,95年7月アメリカと国交が正常化され,また東南アジア諸国連合(ASEAN)への加盟が承認された。1997年には,大統領にチャン=ドク=ルオン,首相にファン=ヴァン=カイが選出された。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

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