一ノ坂銀山(読み)いちのさかぎんざん

日本歴史地名大系 「一ノ坂銀山」の解説

一ノ坂銀山
いちのさかぎんざん

[現在地名]山口市大字宮野上 金山

宮野中みやのなか村の西北部、おおかみ山の中腹にあった。山口町の北、上宇野令の天花かみうのりようのてんげから御成道(萩街道)を通り、周防長門国境の峠を東北へ下りた所で、金山谷かなやまだにという。銀鉱を産出していたが、その起源は不明である。

「注進案」には「慶長の頃銀山大いに開けたり」といい、また「或古記に、慶長の頃より元和五六年までは盛んなりしよし見えたる」と記される。ただし正確な記録はない。銀山の繁栄について同書は「銀山盛んなりし時は、遊女町魚屋町などありて今も其跡存れり、呉服峠といふ所もあり、呉服店ありし跡なりとぞ、清水の壇といふ所の下に四季に咲く杜若ありともいへり、安楽寺の旧跡もありしとなり」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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