一刀彫り(読み)いっとうぼり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一刀彫り」の意味・わかりやすい解説

一刀彫り
いっとうぼり

木彫刀で荒いタッチを生かしてつくる木彫り細工。一刀で刻み上げたような味がありこの名がついた。小形の作品で、発生は鎌倉時代という。現在は観光地の土産(みやげ)品などにみられる。奈良一刀彫(奈良県)は代表的なもので、江戸時代奈良の檜物職(ひものしょく)がたばこ入れなどの根付(ねつけ)用人形をつくったのが始まりで、土地の名産となっている。飛騨(ひだ)高山(岐阜県)にはイチイの木を素材とした一位一刀彫がある。米沢(よねざわ)市(山形県)郊外産の笹野(ささの)彫りは、笹野観音縁起物郷土玩具(がんぐ)として知られている。

[斎藤良輔]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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