岐阜県北部にある市。2004年(平成16)吉城(よしき)郡古川町、河合村(かわいむら)、宮川村(みやがわむら)、神岡町が合併、市制施行して成立。北部を富山県に接する。市域の東を高原川(たかはらがわ)、西を宮川が流れ、富山県域に入って合流、神通(じんづう)川になる。宮川沿いにJR高山本線が走るほか、国道41号、360号、471号が通る。高山本線猪谷(いのたに)駅(富山県富山市)から奥飛騨温泉口まで、第三セクターの神岡鉄道が通じていたが、2006年に廃止となった。市域面積792.53平方キロメートルと広大だが、その大部分を森林が占める。高冷地野菜や果樹栽培、和牛の飼育、ニジマスなど淡水魚の養殖が行われるほか、伝統産業の手漉(す)き和紙、和ろうそく、飛騨(ひだ)春慶が残る。また、工業では医薬品、セラミック製品、電子部品などの工場が進出している。
古川は、戦国時代後期から江戸時代前半に幕府領となるまで金森氏の領地で、1589年(天正17)に増島城を建城、一国一城令により廃城になるまで城下町として発達した。また、神岡では鉱山の開発が行われ、神岡鉱山(2001年閉山)として発展した。1995年に完成した東京大学宇宙線研究所の神岡宇宙素粒子研究施設のニュートリノ(中性微子)観測装置スーパーカミオカンデは、神岡鉱山の地下1000メートルにつくられた。気多若宮神社(けたわかみやじんじゃ)の例祭(古川祭)で行われる「古川祭の起し太鼓・屋台行事」は国の重要無形民俗文化財(ユネスコの無形文化遺産に登録)、小萱の薬師堂(こかやのやくしどう)は国の重要文化財に指定されている。また、飛騨国内最初の真宗道場という常蓮(じょうれん)寺では、毎年7月24日に「太子踊り」が開催される。宮川の支流小鳥(おどり)川上流に下小鳥ダム、人工湖の下小鳥湖がある。奥飛騨数河流葉(おくひだすごうながれは)県立自然公園周辺にはスキー場が集まる。人口2万2538(2020)。
[編集部]
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