一文奴(読み)イチモンヤッコ

デジタル大辞泉 「一文奴」の意味・読み・例文・類語

いちもん‐やっこ【一文奴】

価が1文のやっこ人形
つまらない者。武家下僕をののしっていう語。
「―を当てにして討たうとすると、こりゃ、返り討ちに遭ふぞよ」〈伎・幼稚子敵討

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一文奴」の意味・読み・例文・類語

いちもん‐やっこ【一文奴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 一文ほどの価値しかないつまらない者の意 ) 若党中間(ちゅうげん)、奴(やっこ)などをののしっていう語。
    1. [初出の実例]「ヲヲ奴々、土奴一文奴(イチモンヤッコ)下卑奴」(出典浄瑠璃・男作五雁金(1742)阿波座堀紺屋の段)
  3. 一個が一文で売られた奴人形。一文人形
    1. [初出の実例]「コレコレ奴の人形〈略〉我伯父に能う似た顔の一文奴」(出典:浄瑠璃・時代織室町錦繍(1781)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android