一狐裘三十年(読み)いっこきゅうさんじゅうねん

精選版 日本国語大辞典 「一狐裘三十年」の意味・読み・例文・類語

いっこきゅう【一狐裘】 三十年(さんじゅうねん)

  1. ( 春秋時代、斉の晏子(あんし)一枚の狐の皮衣を三十年も着たという「礼記‐檀弓下」の故事から ) きわめて倹約なことのたとえ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「一狐裘三十年」の意味・わかりやすい解説

一狐裘三十年
いちこきゅうさんじゅうねん

質素倹約であることのたとえ。中国斉(せい)の宰相晏平仲(あんへいちゅう)は、貧困家庭を数十軒も扶助するほどであったが、私生活はといえば、一枚の狐(きつね)の毛皮でつくった衣を30年も着ていたし、祭りのための供物の豚の肩肉も豆(とう)(小さな容器)にいっぱいにならないほどで、自ら倹約の範を示したという『礼記(らいき)』「檀弓篇(だんぐうへん)」や『十八史略』「春秋戦国 晋(しん)」の故事による。狐裘は狐の毛皮でつくったりっぱな皮衣で、卿大夫(けいたいふ)以上の上流階級が着した。

[田所義行]

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