一蓋（読み）いちがい

精選版 日本国語大辞典

いち‐がい【一蓋】

〘名〙

① 一つのおおい。一つのかさ。特に、仏具の一種として、行道の時などに導師にさしかけるかさや、天井から仏像などをおおう木製、金属製などの天蓋、宝蓋などをさす。

※大菩薩峠（1913‐41）〈中里介山〉慢心和尚の巻「見すぼらしい坊主が、一蓋(いちガイ)の檜木笠を被って」 〔周礼‐地官・司市〕〔維摩経‐仏国品〕

② 仏語。一つの煩悩(ぼんのう)。修行者の善心をおおい隠す妨げ。

出典　精選版 日本国語大辞典