一青庄(読み)ひととのしよう

日本歴史地名大系 「一青庄」の解説

一青庄
ひととのしよう

現一青・黒氏くろじから大槻おおづきにかけての町域の大半に比定できる皇室領。「兵範記」保元二年(一一五七)三月二九日条に「能登国壱処 一青庄」とみえ、保元の乱で敗死した左大臣藤原頼長の所領であったが、同月二五日に没収されて後白河天皇の後院領となっている。同三年一二月三日、山城石清水いわしみず八幡宮寺領である当庄などへの領家・預所などの掠領が停止されているが(「官宣旨」石清水文書)、領家職ではないかと思われる。

承久三年(一二二一)九月六日の能登国田数注文によれば公田数八〇町で、鹿島郡最大の田積である。建武二年(一三三五)七月一二日、山城国鳥羽とば殿(現京都市伏見区)領の当庄が奉行の西園寺公重に与えられ(「後醍醐天皇綸旨」西園寺家文書)、観応三年(一三五二)九月八日再び公重に与えられた(園太暦)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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