七宝(愛知県の地名)(読み)しっぽう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「七宝(愛知県の地名)」の意味・わかりやすい解説

七宝(愛知県の地名)
しっぽう

愛知県西部、海部郡(あまぐん)にあった旧町名(七宝町(ちょう))。現在はあま市の南部を占める地域。1966年(昭和41)町制施行。2010年(平成22)、甚目寺(じもくじ)町、美和(みわ)町と合併、市制施行してあま市となる。名古屋鉄道津島線が通じる。近くに東名阪自動車道の名古屋西、蟹江(かにえ)インターチェンジがある。名古屋市の近郊農村であったが、住宅化、工業化が進み人口も増加している。海抜ゼロメートル地帯で地盤沈下が著しい。特産に尾張七宝焼(おわりしっぽうやき)があり、製品はアクセサリー類50%、そのほか花瓶30%、額縁20%。七宝焼の中心は遠島(とおしま)地区で入口に七宝焼原産地の碑がある。尾張七宝焼の歴史は、1832年(天保3)梶(かじ)常吉がオランダ七宝の技法をくふうし、当地出身の林庄五郎(しょうごろう)らに伝え、七宝焼の特産地となった。尾張七宝焼は1995年(平成7)に国の伝統的工芸品の指定を受けた。

[伊藤郷平]

『『七宝町史』(1976・七宝町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例