あま(市)(読み)あま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あま(市)」の意味・わかりやすい解説

あま(市)
あま

愛知県西部にあり、名古屋市の西に隣接する市。当市と名古屋市に取り囲まれて海部(あま)郡大治(おおはる)町が所在。2010年(平成22)、海部郡七宝(しっぽう)、美和(みわ)、甚目寺(じもくじ)の3町が合併して市制を施行し、あま市となった。濃尾(のうび)平野の南西部にあたり、東端部を庄内(しょうない)川、新(しん)川、中央部を福田(ふくた)川、西部を蟹江(かにえ)川などが南流する。名古屋鉄道津島線、国道302号線が通じ、市域では302号と並行する名古屋第二環状自動車道の甚目寺北、甚目寺南の二つのインターチェンジがある。農業を基盤として発展してきたが、戦後の経済成長による名古屋大都市圏の発展に伴い、住宅、工場、店舗が増加し、都市化が急速に進行した。江戸時代には東海道の脇往還佐屋路(さやじ)が通る交通の要衝として栄えた七宝町地区では、江戸時代末期から七宝焼の生産が盛んとなり、七宝町遠島(しっぽうちょうとおしま)には「あま市七宝焼アートヴィレッジ」がある。また、甚目寺地区の伝統工業である刷毛(はけ)の生産は全国第一位を誇る。戦国時代の武将蜂須賀小六正勝(はちすかころくまさかつ)、豊臣秀吉家臣の福島正則(ふくしままさのり)をはじめ、多く大名が輩出した。尾張四観音の一つとして尊崇を集めてきた甚目寺や、香の物祭(漬物祭)で知られる萱津(かやつ)神社などがある。面積27.49平方キロメートル、人口8万6126(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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