万座山越道
まんざやまごえみち
広大な万座山一帯の峠越えで信州高井郡地方と干俣村・門貝村などを結ぶ道を万座山越道とよぶ。狭義には伐掛橋・松尾沢・矢筈などを経て万座温泉に達し、西方の鞍部万座峠(標高一八二七メートル)を越えて信州に至る道をいう。永禄五年(一五六二)羽尾入道が鎌原氏に帰路を絶たれて落延びた道(加沢記)である。ほかに万座川沿いに進み毛無峠(標高一八二三メートル)越で須坂城下(現長野県須坂市)への道、干俣村から浦倉山北方鞍部峰山峠(標高一七八〇メートル)越で灰野(現同上)へ出る道があり、「三峰紀聞」には「大笹街道よりは甚だ里程近く路難もすくなし」と記され、干俣と灰野を六里で結び三原道とよばれる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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