吾妻郡
あがつまぐん
面積:一二七七・九一平方キロ
高山村・中之条町・東村・吾妻町・長野原町・六合村・草津町・嬬恋村
県西北部の上信越国境山岳地域にある。東は利根郡新治村・月夜野町、沼田市、北群馬郡小野上村に接し、南は渋川市、北群馬郡伊香保町、群馬郡榛名町・倉淵村と長野県の北佐久郡軽井沢町・御代田町、小諸市、小県郡東部町、西は同じく小県郡真田町、須坂市、上高井郡高山村、北も長野県下高井郡山ノ内町・下水内郡栄村と新潟県南魚沼郡湯沢町に接する。北部は稲包山(一五九七・七メートル)や白砂山(二一三九・七メートル)・大高山(二〇七九・四メートル)・赤石山(二一〇八・六メートル)などの二〇〇〇メートル級の山が連なり、西は横手山(二三〇四・九メートル)・白根山(二一三八メートル)・万座山(一九九四・四メートル)・御飯岳(二一六〇・二メートル)・浦倉山(二〇九〇・六メートル)・四阿山(二三三二・九メートル)・湯ノ丸山(二〇九八・六メートル)、南部は浅間山(二五四二メートル)から榛名山系を結ぶ山脈で囲まれ、東に向かって谷が開けている。県総面積の二〇・一パーセントの広さに、県人口の四・二パーセントの人が住む過疎地帯となっているが、郡総面積の七八・二パーセントが山地であることもその理由の一である。郡内を西から東へ吾妻川が流れ、嬬恋村三原付近と中之条町付近に盆地を形成する。中間の長野原町川原湯付近では著しく川幅が狭く、深く険しい峡谷をつくり、国指定名勝吾妻峡として知られる。
数多い山々のなかで浅間山と白根山の二大火山は西吾妻の観光の中心でもあり、浅間山の広大な裾野の標高一〇〇〇メートル以上の地域では高冷地農業や酪農が行われ、嬬恋のキャベツ・白菜は首都圏をはじめ全国に販売されている。天明三年(一七八三)の浅間山大噴火(浅間焼け)の溶岩は鬼押出しとして異様な景観を残し、白根山の雄大な景観を背景に草津―志賀高原ルート(国道二九二号)が走り、観光客を集めている。この二大火山をめぐって郡内に多くの温泉が湧出する。日本第二位の湯量をもつ草津温泉は、高原にあるため夏の平均気温が摂氏一九・六度であり、避暑と保養を兼ねて年間二一三万人(昭和五九年度)の観光客が訪れる。草津のほか西吾妻の万座・鹿沢・新鹿沢(嬬恋村)、尻焼・花敷(六合村)、川原湯、東吾妻の鳩の湯・薬師・川中(吾妻町)、四万・日向見・沢渡・大塚(中之条町)などの各温泉がある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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