三神一体(読み)さんしんいったい(英語表記)trimūrti[サンスクリツト]

世界大百科事典 第2版の解説

さんしんいったい【三神一体 trimūrti[サンスクリツト]】

ヒンドゥー教の教理のひとつで,ブラフマー神(梵天)とビシュヌ神とシバ神は,実は同一神,ないし宇宙の最高原理の別名にほかならないということを意味する。大叙事詩《マハーバーラタ》の補遺としての性格をもつ《ハリ・バンシャ》に,すでに,ビシュヌ神とシバ神は同一であるとの見方が説かれているが,プラーナ文献にいたって,ブラフマー神を加えた三神が同一であることが表明されるようになった。つまり,宇宙の最高原理が,ブラフマー神として世界を創造し,ビシュヌ神としてそれを維持し,シバ神としてそれを破壊する,というのである。

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世界大百科事典内の三神一体の言及

【ヒンドゥー教】より

…この傾向は,ときとして両派に摩擦を起こさせるが,しかし寛容の精神から両派を調和させる努力もなされている。すなわち,ビシュヌ神とシバ神とは同一神の別名にほかならない,と主張されることもあり,さらにまた宇宙の最高原理がブラフマー神として創造し,ビシュヌ神としてこれを維持し,シバ神としてこれを破壊するとする〈三神一体(トリムールティ)〉の説が表明されることもある。女神は非常に古くから崇拝されてきてはいるが,ヒンドゥー教のパンテオンの中で重要な位置を占めるに至るのは中世になってからである。…

※「三神一体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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