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梵天 ぼんてん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

梵天
ぼんてん

仏教の守護神。色界の初禅天にあり,衆天,梵輔天,大梵天の三つがあるが,普通は大梵天をいう。もとはインド神話ブラフマーで,インドラ帝釈天)などとともに仏教守護神として取り入れられた。密教では十二天の一つ。法隆寺金堂の塑像,東大寺法華堂(三月堂)の乾漆像など天平時代の名作があり,密教像では四面四臂に表され作品も多い。

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デジタル大辞泉の解説

ぼん‐てん【梵天】

《〈梵〉Brahmanの訳。「ぼんでん」とも》

古代インドで世界の創造主、宇宙の根源とされたブラフマンを神格化したもの。仏教に取り入れられて仏法護持の神となった。色界の初禅天の王。十二天・八方天の一。ふつう本尊の左に侍立する形で表され、右の帝釈天(たいしゃくてん)と相対する。梵天王(ぼんてんのう)。大梵天王。
《「梵土天竺(ぼんどてんじく)」の略》インドの異称。

仏語。色界の初禅天。大梵天・梵輔天・梵衆天の三天からなり、特に大梵天をさす。淫欲を離れた清浄な天。
修験者が祈祷に用いる幣束(へいそく)
大形の御幣の一。長い竹や棒の先に、厚い和紙や白布を取り付けたもの。神の依代(よりしろ)を示す。 新年》
棒の先に幣束を何本もさしたもの。魔除けとして軒などにさした。
延縄(はえなわ)刺し網などの所在を示す目印とする浮標のこと。
梵天瓜」の略。
耳かきの端についている、球状にした羽毛。細かな耳あかを払うためのもの。

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百科事典マイペディアの解説

梵天【ぼんてん】

仏教を守護する善神の一人。元来ブラフマン(梵)の神格化で,仏教に入り色界の初禅天をつかさどった。これに梵衆天・梵輔天・大梵天の3神があり,その総称,または大梵天のみをさす。
→関連項目ビシュヌ摩利支天

梵天【ぼんてん】

神の依代(よりしろ)となる布製の大きな作り物,御幣。秋田県横手市旭岡山神社で毎年2月17日に行われる梵天奉納祭に見られる幣束(へいそく)の一種。長さ2mほどの杉の丸太に,布や五色の紙で包んだ頭をつけ丸い鉢巻を巻いたもの。
→関連項目秋田[県]横手[市]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

梵天 ぼんてん

仏教の守護神。
もとは古代インドのバラモン教,ヒンズー教の主神ブラフマンで,シバ神,ビシュヌ神に準ずるとされる。仏教では帝釈(たいしゃく)天と対になって釈迦(しゃか)に随侍し,須弥壇(しゅみだん)に安置される。密教では十二天の一つとされる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼんてん【梵天】

ヒンドゥー教の主神の一つ。サンスクリットのブラフマーBrahmāの音訳。ウパニシャッド思想の最高原理ブラフマン(梵,中性)を神格化したもので,ブラフマーはその男性主格形である。ブラフマーは造物主とされ,仏教の興起した頃には,世界の主宰神,創造神と認められるようになった。宇宙は〈ブラフマンの卵(梵卵)〉と呼ばれ,ブラフマーはその宇宙卵を二つに割って,天と地を創ったとされる。シバビシュヌ両神の信仰が高まるにつれ,ブラフマーの地位は下がり,両神のうちのいずれかの影響力のもとに宇宙を創造するにすぎないとみなされるようになった。

ぼんてん【梵天】

神の依代(よりしろ)となる布製の大きな作り物,御幣。その名称は仏教語に由来するとされる。修験者や行者は御幣,幣帛,幣束などを梵天とよぶこともある。〈ぼんてん〉は元来神の占有標であるホデと深いかかわりをもつ語と考えられ,祭礼では神霊の依代,神座とされている。東北地方には,大きな梵天を作って神社に奉納する梵天奉納祭が行われる。秋田県横手市の旭岡山(あさひおかやま)神社(2月17日),秋田市赤沼の太平山三吉神社(2月17日)などで,いずれも神社の前の石段にくると,各梵天は互いに争って石段をかけのぼり,最初に梵天を奉納した者にはその年幸運がさずかるといわれている。

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大辞林 第三版の解説

ぼんてん【梵天】

〔「ぼんでん」とも〕
○ Brahma〕 色界の初禅天の王。本来はバラモン教で根本原理を人格化した最高神であったが、仏教に取り入れられて正法護持の神とされる。大梵天。梵王ぼんおう。梵天王ぼんてんおう。婆羅門バラモン天。 → ブラフマン
の住む天。色界の初禅天。
〔「ほて」の転か〕 御幣ごへい。幣帛へいはく。頭屋とうやの標識にしたり、神幸や山伏の峰入り行列の先頭に立てたりする。梵天祭として2月16、17日に秋田県横手市で行われるものなどが有名。 [季] 春。
漁具につける浮標。延縄はえなわや流し網などにつけるガラス球の類。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

梵天
ぼんてん

サンスクリット名ブラフマンbrahman。古代インドの紀元前6、5世紀ごろに姿を現した神。元来ブラフマンとは音声、言語に秘められる呪力(じゅりょく)で、これがしだいに万物をつくりだす創造力とされ、ついには宇宙万物の根本原理となった。これが神格化されて創造神たる梵天となったもので、しばしばブラフマーbrahmと記される。ヒンドゥー神話では宇宙を維持するビシュヌ神、破壊をつかさどるシバ神とともに三大神とされるが、この二神と異なり、実際に神祠(しんし)に祀(まつ)られて崇拝されることはまれである。妃は知慧(ちえ)と学問、ないし雄弁と音楽の神たるサラスバティー女神(弁才天)である。仏教では帝釈天(たいしゃくてん)とともに護法の神とされ、釈尊に説法を勧めたりする。また密教では十二天の一つとされる。日本における作例では法隆寺金堂の塑像、東大寺三月堂の乾漆像、唐招提(とうしょうだい)寺の木像は名品として知られる。密教像では東(とう)寺(教王護国寺)講堂の木像、京都国立博物館蔵「十二天画像」(東寺旧蔵)中の梵天像などがある。[奈良康明]

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

梵天 (ボデン・ボンテン)

植物。真桑瓜の品種。ボンデンウリの別称

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世界大百科事典内の梵天の言及

【インド神話】より

…これがいわゆるヒンドゥー教の神話である。ヒンドゥー教の主神はブラフマー(梵天)とシバ(大自在天)とビシュヌ(毘瑟笯,毘紐)である。ブラフマーはウパニシャッド哲学の最高原理ブラフマン(中性原理)を神格化したもので,宇宙創造神,万物の祖父(ピターマハ)として尊敬されるが,他の2神のように幅広い信仰の対象となることはなかった。…

【十二天】より

…12の天部は四方(東西南北)と四維(南東,南西,北西,北東)の8方と上方,下方の10方位に配置される十尊と日天(につてん),月天(がつてん)である。すなわち,帝釈天(たいしやくてん)(東),火天(かてん)(南東),閻魔天(えんまてん)(南),羅刹天(らせつてん)(南西),水天(すいてん)(西,バルナ),風天(ふうてん)(北西),毘沙門天(びしやもんてん)(北),伊舎那天(いしやなてん)(北東),梵天(ぼんてん)(上),地天(ちてん)(下),日天,月天となる。十二天像は画像で表現される。…

【ハス(蓮)】より

…このことは,ハスの象徴と生類を生み出す母神の力との結びつきが,インド文化の基層で連続していたことを示すものとされる。《マハーバーラタ》や《バーガバタ・プラーナ》にみられる創造神話によれば,ビシュヌ神は,太初の海に浮かぶシェーシャ竜を寝台として眠り,ビシュヌ神のへそが伸び蓮華を生じ,そこに梵天(ぼんてん)が生まれ世界を創造したとする。この神話は,〈産み出すもの〉の象徴としてのハスを,男性神の創造神話に組みこんだ例と考えられる。…

【ヒンドゥー教】より

…今日のヒンドゥー教で,インド全域にわたって崇拝されている神はビシュヌシバとである。ヒンドゥー教はこのほかにブラフマー神(梵天)を加えた三つの神格を中軸として発達してきており,ブラフマー神は宇宙の創造を,ビシュヌ神は宇宙の維持を,シバ神は宇宙の破壊を任務としていると信じられている。しかしブラフマー神は中世以降勢力を得ることができず,他の2神を中心に展開してきている。…

【プシュカラ[湖]】より

…ポーカルPokharとも呼ばれる。プシュカラは〈青蓮華〉のことで,ヒンドゥー教徒はこの地を創造神ブラフマー(梵天)の聖地としている。ブラフマー神はかつて蓮華を手にしてこの地を訪れ,そこで神々を破滅させようと苦行をしていた悪魔バジュラナーバを発見した。…

【梵卵】より

…サンスクリットの〈ブラフマーンダbrahmāṇḍa〉の訳。〈ブラフマー神(梵天)の卵〉の意味で,ヒンドゥー教において,宇宙開闢(かいびやく)の根源である最高存在とされるものの一つ。インドにおいて,宇宙創造に関しては,最古の文献である《リグ・ベーダ》以来さまざまな思想・学説が展開されているが,梵卵からの宇宙創造の説もその一つで,ヒンドゥー教の聖典である各種のプラーナ(〈古譚〉〈古伝話〉の意),とくに《ブラフマーンダ・プラーナBrahmāṇḍa‐purāṇa》において詳細に論じられている。…

※「梵天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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