改訂新版 世界大百科事典 「三自一包」の意味・わかりやすい解説
三自一包 (さんじいっぽう)
Sān zì yī bāo
現代中国においてとられた政策。中国は1959年から3年連続して史上未曾有の自然災害に見舞われ,さらに大躍進時の政策の誤りとソ連技術者の引揚げが加わり,1959-61年の期間は農業生産を中心に国民経済全体が深刻な打撃をうけた。調整期(1961-65)にこの困難を打開するのにとられた政策の一つが〈三自一包〉政策である。〈三自一包〉の〈三自〉とは自留地をできるだけ多く残し,自由市場を設け,損益に責任を負う企業を多く作ることであり,〈一包〉とは農業生産の任務を1戸ごとに請け負わせる政策をさす。この政策は〈包産到戸〉〈単幹風〉とともに集団労働を軽視し個人の物質的刺激に重点をおくことを特徴とする。たとえば農業では一方で農業生産を各戸ごとに請け負わせ,他方自留地で野菜生産か養豚を行い,それを農村の自由市場で販売することにより収入を得るといったパターンをさす。〈三自一包〉政策は文化大革命期に資本主義へ向かう路線として批判されたが,中共11期3中総会(78年12月)以降は肯定的評価を受けている。
執筆者:斉藤 節夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報