朝日日本歴史人物事典 「三野村利助」の解説
三野村利助
生年:天保14.7.17(1843.8.12)
明治期の財界人。京都の商家大文字屋の子に生まれ,南三井家に奉公していたが,三野村利左衛門に見いだされ,明治4(1871)年西京御用所組頭役に登用。のちに東京為替座(為替座三井組)に転任,三野村家の婿養子となり,利左衛門の片腕として活躍。9年三井銀行創立に伴い監事に抜擢。10年利左衛門の後任として同行総長代理副長(実質的経営者)に昇任。官金取扱業務拡大を通じ,経営安定化に尽力。15年日銀創立に際し,総長代理副長の地位を西邑乕四郎に譲り,日銀理事に転じた。<参考文献>実業之世界社編『財界物故傑物伝』下,三井文庫編『三井事業史』本編2巻
(花井俊介)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報