監事(読み)カンジ

デジタル大辞泉 「監事」の意味・読み・例文・類語

かん‐じ【監事】

団体庶務をつかさどる役。
法人財産理事業務執行状況監査する機関株式会社監査役にあたる。

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精選版 日本国語大辞典 「監事」の意味・読み・例文・類語

かん‐じ【監事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 公益法人の財産、業務を監査する役。また、その人。株式会社の監査役にあたる。
    1. [初出の実例]「法人には〈略〉一人又は数人の監事を置くことを得」(出典:民法(明治二九年)(1896)五八条)
  3. 団体の一般事務をつかさどる役。また、その人。
    1. [初出の実例]「門鑑を監事(カンジ)の処へ持っていけば」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九)

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改訂新版 世界大百科事典 「監事」の意味・わかりやすい解説

監事 (かんじ)

法人の財産状況や理事の業務執行を監査する法人の機関。しかし,外部的に法人を代表する機関ではない。民法上,監事は社団法人財団法人に共通する機関であるが,必ずおかなければならない機関とはされていない(民法58条)。しかし,特別法で設立される法人にあっては,必要的機関とされているのが通常である(私立学校法35条,消費生活協同組合法27条)。民法は,監事の職務として,(1)法人の財産状況を監査すること,(2)理事の業務執行の状況を監査すること,(3)財産状況または業務の執行につき不整の廉(かど)(異常)のあることを発見したときに総会または主務官庁に報告すること,を掲げているが(民法59条),監査上の必要があればこれ以外の行為もなしうると解されている。なお,監事が数名あるときも,職務の性質から各自単独で職務権限を行使すべきである。監事が主務官庁または社員総会に対して不実の申立てをしたり事実を隠ぺいしたりしたときは,過料に処せられる(84条)。なお,特別法で監事をおくことを義務づけられたものについては,それぞれの法律で職務権限が定められている。営利社団法人一つである株式会社にあっては,〈監査役〉と呼び,商法273条以下に詳細な定めがおかれるとともに,重い責任が定められている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「監事」の意味・わかりやすい解説

監事
かんじ

法人の内部にあって、理事の事務の執行を監督する機関(民法59条)。法人には1人または数人の監事を置くことができるが、理事のように必須(ひっす)の機関ではなく、定款寄付行為または総会の決議によって置くことができる(同法58条)。特別法に基づいて設立される法人では、置かれるのが普通(農業協同組合法30条など)。民法は監事の職務を次のように規定した。すなわち、(1)法人財産の監査、(2)理事の業務執行の監査、(3)財産の状況または業務執行につき不整の廉(かど)あることを発見したときは、これを総会または主務官庁に報告すること、(4)前記の報告をなすため必要あるときは総会を招集すること(民法59条)。なお、会社では監査役という。

[淡路剛久]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「監事」の意味・わかりやすい解説

監事
かんじ

法律上は,法人の財産状態や理事の業務執行を監督するために設けられる公益法人の機関をいう (民法 58) 。株式会社における監査役と同じ役割をになっているが,監査役が必須機関なのに対して監事は公益法人に必須の機関とはされていないが,設けられるのが通常である。

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普及版 字通 「監事」の読み・字形・画数・意味

【監事】かんじ

監査役。

字通「監」の項目を見る

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