上久屋村(読み)かみくやむら

日本歴史地名大系 「上久屋村」の解説

上久屋村
かみくやむら

[現在地名]沼田市上久屋町

横塚よこづか村の東、片品かたしな川の右岸にあり、東は平出ひらいで(現利根郡白沢村)、南は片品川を隔てて勢多せた生越おごせ村・貝野瀬かいのせ(現利根郡昭和村)、南西は下久屋村。古くは下久屋村と一村で久屋と称し、「延喜式」左右馬寮にみえる久野くや牧の遺称地とする説もある。応永七年(一四〇〇)滝本東六郎左衛門の旦那売券(熊野那智大社文書)で、買主鳥居ゑもんに売払った分に利根庄のうち「くやのさいしやうとのゝひき一ゑん」とみえる。天正一〇年(一五八二)と推定される一二月二四日の北条氏邦朱印状(林文書)によると、沼田攻めの恩賞として「く屋」などのうちから、馬上の者には一〇貫文、徒衆には三貫文が与えられている。「加沢記」などでその活躍が知られる久屋氏は当地に拠ったといい、字薬師やくしには延文二年(一三五七)、字中清水なかしみずには明徳元年(一三九〇)の銘を刻む同氏の古塔と伝える宝篋印塔がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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