徒衆(読み)カチシュウ

デジタル大辞泉 「徒衆」の意味・読み・例文・類語

かち‐しゅう【徒衆/徒士衆】

徒侍かちざむらい」に同じ。
江戸幕府徒組かちぐみに属した武士おかちしゅう。かちしゅ。

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精選版 日本国語大辞典 「徒衆」の意味・読み・例文・類語

と‐しゅう【徒衆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「としゅ」とも )
  2. 馬や乗物に乗らない徒歩家来徒卒。かちしゅう。
  3. あとに従う人々。供の人々。弟子の人々。また、民。庶民大衆
    1. [初出の実例]「禁賀茂神日、徒衆会集執仗騎射」(出典続日本紀‐大宝二年(702)四月庚子)
    2. [その他の文献]〔春秋穀梁伝‐隠公元年〕

かち‐しゅう【徒衆・歩行衆】

  1. 〘 名詞 〙 徒歩で行列をする徒侍(かちざむらい)の中でも身分の軽い者。行列の警備などをする。おかちしゅう。
    1. [初出の実例]「又有御方違。騎馬供奉人者無先度之儀。歩行衆之中。上野七郎左衛門尉、出羽三郎左衛門尉等申障」(出典:吾妻鏡‐建長四年(1252)七月二〇日)

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普及版 字通 「徒衆」の読み・字形・画数・意味

【徒衆】としゆう

庶民。部下。〔穀梁伝、隠元年〕夏五伯、(共叔)段に(えん)に克(か)つ。~何を以てすと言はざる。段の徒衆るを見(しめ)すなり。

字通「徒」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の徒衆の言及

【走衆】より

…将軍出行の際,徒歩で随行して,警固および諸雑用にあたる下級の職。徒士衆(かちしゆう),歩走(かちはしり)ともいい,江戸幕府における徒士組の起りといわれる。鎌倉将軍の上洛や出行などの供衆の行列の中に,しばしば〈歩走〉〈歩行衆〉とみえ,すでに鎌倉期の将軍出行に,徒歩で従う警固の士の存在がうかがわれるが,室町期になると幕府職制として成立し,職掌も定まった。…

※「徒衆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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