沼田市(読み)ヌマタシ

デジタル大辞泉 「沼田市」の意味・読み・例文・類語

ぬまた‐し【沼田市】

沼田

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「沼田市」の解説

沼田市
ぬまたし

面積:一三六・六五平方キロ

県の北部に位置し、境域は南北に細長く、北方の山地と南部の沼田盆地に大きく分けられ、東は利根郡昭和しようわ村・白沢しらさわ村・川場かわば村、北は同郡水上みなかみ町、西は同郡月夜野つきよの町・吾妻あがつま高山たかやま村、南は北群馬郡小野上おのがみ村・子持こもち村、勢多せた赤城あかぎ村に接する。南西部を利根川が南東流し、薄根うすね川や昭和村との境界を流れる片品かたしな川がいずれも南西流し利根川と合流、北方山地に源を発する発知ほつち川・四釜しかま川は南に下って薄根川に合流する。北部・西部は武尊ほたか山の支峰けんヶ峰(二〇三九・七メートル)を最高峰に、鹿俣かのまた(一六三六・七メートル)あま禿はげ(一四六六メートル)板沢いたさわ(一一四六・六メートル)三峰みつみね(一一二三メートル)などの諸峰が境界をなし、北部中央には迦葉かしよう(一三二二・四メートル)がそびえる。最南部は子持山(一二九六メートル)の北東麓にあたる。中心街は盆地中央部の河岸段丘台地に展開し、前述諸河川の流域、おもに河岸段丘面に沿って集落が広がる。なお中心街の台地は最も開発の遅かった地域である。地名は「和名抄」にみえる利根郡渭田ぬまた郷の遺名と考えられ、市名は近世市域の中心であった城下沼田町を継承する。

〔原始〕

薄根川上位段丘面の戸神諏訪とかみすわ遺跡、子持山東麓などでも旧石器の出土をみるが、岩宿I文化に対比される層をもつ三峰山の南麓から西麓にかけてナイフ・石刃などを中心に旧石器が集中的に出土している。縄文期の遺跡は平坦地全域に分布し、早期遺跡の数は少ないが、前期以降、段丘面上を中心に多数発見され、片品川右岸地区の段丘面、薄根川段丘面の奈良なら町田まちだ地区、子持山東麓の屋形原やかたばら地区などでは広範囲にわたって中期の土器・石器・住居跡などを確認。弥生期の遺跡は中期後半から多くなり、後期樽式期の遺跡は段丘縁や両側を沢に挟まれた微高地に多く分布し石墨いしずみ・戸神諏訪・鎌倉かまくらの各遺跡のほか、戸鹿野とがの地区の片品川上位段丘面(日影平)からは環濠集落遺構を検出。古墳は昭和一一年(一九三六)調査時、市域で九四基が報告された。発知川・薄根川合流地帯、三峰山麓に集中分布し、ほか片品川段丘に点在する。小円墳が多く、横穴式石室をもち群集墳であるところから築造時期は六世紀から七世紀末と推定される。戸神山南方裾野、薄根川右岸の段丘最上面の戸神諏訪遺跡からは縄文前期・弥生後期・古墳時代初頭・平安期の住居跡を発見したが、弥生後期から古墳時代初頭にかけては連続的に集落が営まれていたと推定される。


沼田市
ぬまたし

2005年2月13日:沼田市が利根郡白沢村利根村編入
【白沢村】群馬県:利根郡
【利根村】群馬県:利根郡
【沼田市】群馬県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沼田市」の意味・わかりやすい解説

沼田〔市〕
ぬまた

群馬県北東部,武尊山赤城山などに囲まれた山あいの市。 1954年沼田町と利南村,池田村,薄根村,川田村の4村が合体して市制。 2005年白沢村と利根村を編入。沼田盆地にある中心市街地の沼田は薄根川と片品川に挟まれた河岸段丘上にあり,天文1 (1532) 年沼田氏が築城して以来,城下町として発達。また三国街道宿場町で,4,8の日には六斎市も開設されて農産物林産物の取り引きで繁栄した。道路網や町割に城下町の面影を残す。養蚕,野菜栽培,畜産が盛ん。製材,木製品などの工業が発達。尾瀬,奥日光方面への観光基地。天狗で知られる迦葉山弥勒寺がある。薄根の大クワは国の天然記念物。中北部の吹割渓谷ならびに吹割滝は国の名勝・天然記念物に指定されている。 JR上越線,国道 17号線,120号線が通り,東部に関越自動車道のインターチェンジがある。面積 443.46km2。人口 4万5337(2020)。

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世界大百科事典(旧版)内の沼田市の言及

【沼田荘】より

…農業以外では林業,漁業,商業などが営まれており,海賊をはたらく人々もいた。荘内にある沼田市は,鎌倉期から知られる市場であり,地方の商業集落としては他にあまり例をみないほどの大きさであった。陸・海交通路の要衝であり,小早川氏にとってその経済的拠点として重要な機能を果たした。…

【三原[市]】より

…広島県南部に位置する市。1936年市制。人口8万3763(1995)。市域のかつての安芸・備後両国にまたがり,市街地は中央を東流する沼田(ぬた)川の下流平野に集中する。竜王山を中心とする北部山地が三原湾に迫り,そこに《万葉集》巻十五にみえる〈長井浦〉(糸崎)があった。古代山陽道の真良(しんら)駅は高坂町真良に比定される。高山城(現,本郷町)を居城としていた小早川氏が1567年(永禄10)に三原城を築いて以来,城下町として三原の町が発展する。…

※「沼田市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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