出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
群馬・栃木・福島3県境の黒岩山西斜面に源を発し,南西に流れて沼田市の西部南寄りで利根川に注ぐ川。全長60.8km,流域面積676km2。菅沼,丸沼の水を集める小川のほか塗(と)川,根利川,赤城川など多くの支流をもつ。上・中流部には渓谷が多く,吹割(ふきわり)渓谷と吹割滝はよく知られる。川沿いには丸沼,白根,片品,老神(おいがみ)などの温泉があり,中流の薗原(そのはら)ダムは,高さ76.5m,有効貯水量1414万m3の多目的ダムである。上流地方には武尊(ほたか)オリンピア,尾瀬片品,尾瀬戸倉などのスキー場があり,片品村の各温泉や各集落にはテニス民宿が開かれ,通年の観光レクリエーション地を目ざしている。白沢,上久屋,岩室,伏田など本支流を合わせると14の発電所があり,最大出力は計14万kWをこえる。中・下流部には河岸段丘が発達し,かつては一面の桑畑であったが,近年は普通畑となり,トウモロコシを産し,一部にリンゴ園もみられる。
執筆者:有末 武夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
群馬県北東部を流れる川。利根川(とねがわ)の支流。源を尾瀬(おぜ)沼南方および鬼怒沼(きぬぬま)山西方に発して南流し、赤城(あかぎ)山北麓(ほくろく)で根利(ねり)川、赤城川をあわせ、沼田盆地(ぬまたぼんち)の南端で利根川に合流する。延長60.8キロメートル。流域にはみごとな段丘が断続的に発達し、農耕地としてよく利用されている。沼田駅から尾瀬へはこの沿岸にバスが通じる。沼田市利根町追貝(おっかい)の地域には国指定天然記念物・名勝の吹割渓(ふきわれけい)ならびに吹割瀑と甌穴(おうけつ)群の絶景がみられ、その下流に老神温泉(おいがみおんせん)がある。また、本・支流は電源地帯の一つで、14か所の水力発電所で14万キロワットを発電し、中流の薗原(そのはら)ダムと薗原湖を訪れる人も多い。片品川沿いの地域は利根東入(ひがしい)りともいう。
[村木定雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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