上代郷(読み)かじろごう

日本歴史地名大系 「上代郷」の解説

上代郷
かじろごう

現東庄町・干潟ひかた町に比定される。「和名抄」の海上うなかみ神代かじろ郷の郷名を継承すると考えられる中世の郷。嘉元三年(一三〇五)一二月の某証文(金沢文庫文書)に東庄上代とある。鎌倉時代後期の地頭は千葉氏一族東氏庶流の東盛義であったが、盛義の所領はその罪科により鎌倉時代末に三度にわたって没収された(「東盛義所領収公注文」同文書)。元亨元年(一三二一)には没収された盛義の所領の三分一が金沢称名寺に寄進されている(六月二二日「鎌倉将軍家寄進状」同文書など)。翌二年、幕府使者となった下総国守護千葉貞胤が注進した当郷の惣田数は八九町一反半、東盛義の注進は八六町八反半であったが(「上代郷田数注文」同文書)、ほかに元徳元年(一三二九)には盛義が一六町八段大を注進しており(「上代郷公田坪付注進状」東京大学文学部国史研究室所蔵文書)、当郷の惣田数は一〇六町余であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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