使者(読み)ししゃ

精選版 日本国語大辞典「使者」の解説

し‐しゃ【使者】

〘名〙
① 人からの命令や依頼を受けて使いをする人。つかいのもの。つかい。
田氏家集(892頃)中・傷肥州清太守「銅府膩手七旬余、如星馳使者車」
※高野本平家(13C前)一「入道相国、祇王がもとへししゃをたてて」 〔周礼‐秋官・小行人〕
神仏の使役する人や鳥獣。神仏の使。仕者。つかわしめ。
謡曲嵐山(1520頃)「普賢文殊の召されたる、獅子とは御使者のもの」
③ 特に、法律上、他人の決定した意思表示の内容を他に伝達する者をいう。他人のために自ら意思を決定し表示する「代理人」と異なる。

つかわれ‐もの つかはれ‥【使者】

〘名〙 神仏、その他貴人などから使役される者。
※俳諧・紅梅千句(1655)一〇「底だめみれど鳥目はなし〈正章〉 殊外つかはれものの無興づら〈政信〉」
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)四「女こたへて申けるは、我はこれ、巨旦大王のつかはれもの也」

つかい‐もの つかひ‥【使者】

〘名〙 使用人。下男や下女。
※京大本湯山聯句鈔(1504)「つかいものの小玉と云女を高声に呼て」

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デジタル大辞泉「使者」の解説

し‐しゃ【使者】

命令や依頼を受けて使いをする人。使いの者。「使者を派遣する」「使者に立つ」
これから先にくる物事を予感させる人や物。先触れ。「冬の使者ハクチョウ」
法律上、他人の決定した法律行為を単に伝達する者。自ら意思決定をする代理人と区別される。
[類語]使い使節特使正使密使急使全権大使特命全権大使

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普及版 字通「使者」の解説

【使者】ししや

命を受けて使する者。〔礼記、曲礼上〕に命を受くれば、君言家に宿(とど)めず。君言至るときは、則ち人出でて君言の(かたじけな)きを拜し、歸るときは、則ち必ず拜して門外る。

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世界大百科事典内の使者の言及

【代理】より

…日々大量の取引を行う企業活動にとっても代理は欠くことのできない制度である。使者も本人の活動を補助する手段であるが,代理人はみずから決定したところに従って意思表示をするのに対し,使者は本人の決定した意思を単に表示または伝達する役割を果たすにすぎない。代理は訴訟行為や公法上の行為についても認められるが,婚姻,養子縁組,遺言のように本人自身の意思決定を絶対的要件とする行為については許されない。…

※「使者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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