上坂手村(読み)かみさかてむら

日本歴史地名大系 「上坂手村」の解説

上坂手村
かみさかてむら

[現在地名]長島町上坂手

長島輪中にあり北は杉江すぎえ村、南は下坂手村に連なる伊尾いび(現揖斐川)東岸堤防沿いの村である。香取かとり五ヵ郷の一(三国地志)として早くから開けた地と思われ、源光行の「海道記」の貞応二年(一二二三)四月六日の条に「夜陰に市腋と云にとまる。(中略)七日市腋を立て、津嶋の渡と云所を、舟にて下れば(下略)」とある。市腋いちえ(市江)というのはこの一帯のことで、交通の要地でもあった。

もと坂手村といっていたが、信長の長島攻めに際し、北陸へ逃れた門徒衆の子孫のいわゆる本願寺崩れ一〇〇余人が、元禄年中(一六八八―一七〇四)に帰村し、村の長と農民との間に争論が起こり、上下の二村に分れたという(長島細布)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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