上坪遺跡（読み）うえつぼいせき

日本歴史地名大系

上坪遺跡
うえつぼいせき

• 栃木県：宇都宮市
• 針ヶ谷村
• 上坪遺跡

[現在地名]宇都宮市針ヶ谷町 上坪

針（はり）ヶ谷（や）町から東方の雀宮（すずめのみや）町にかけては弥生―古墳時代を主とする古代遺跡が多いが、当遺跡はそのほぼ西端部にある。出土土器には弥生式土器を主に、土師器・須恵器などが知られるが、弥生式土器では沈線を横位にひく古式のもの、外反する口縁部の全面に斜行縄文を施す後期初頭のもの、そしていわゆる二軒屋式土器片である。斜行縄文を盛行させた土器片は、群馬県赤城（あかぎ）山南麓の赤井戸式や埼玉県北部の吉ヶ谷式土器と同様相で、栃木県南部にも分布するもので、二軒屋式土器片は口唇上に刻み目を付け、口辺は無文帯を研磨し頸部には指圧痕を連続させたもの、櫛歯状工具で波状の沈線文を施したもの、細かな斜行縄文、絡縄体による羽状縄文や撚糸文などを付けた赤褐色・黄褐色系のものである。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」