上天野村(読み)かみあまのむら

日本歴史地名大系 「上天野村」の解説

上天野村
かみあまのむら

[現在地名]かつらぎ町上天野

星山ほしやま村の東、紀ノ川南の山地内にある小盆地に立地。高野山の地主神丹生都比売にうつひめ神社(天野社)が鎮座し、早くから高野山への登山道が開かれていた。寛治三年(一〇八九)五月六日付散位坂上経澄解案(国立史料館蔵伊都郡古文書)に、経澄先祖相伝の山地の四至として「限西御多良井谷、但天野登道」とみえる。また「御室御所高野山御参籠日記」久安四年(一一四八)四月六日条には「立宿到三谷之前下船、経三谷坂到天野、法印兼儲膳、経暫程参社奉幣、令舞八女、賜扇了、申刻着中院菴室了」とあり、古くは天野社に参詣してから高野山に登るのが例であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報