茶店(読み)チャミセ

デジタル大辞泉 「茶店」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐みせ【茶店】

通行人などに茶菓を供して休息させる店。茶屋。掛け茶屋。
製茶を売る店。茶屋。葉茶屋
[類語]喫茶店カフェテラス茶房レストラン料亭料理屋食堂飲食店飯屋菜館飯店割烹割烹店酒場飲み屋居酒屋縄暖簾ビヤホールビヤガーデンパブスナッククラブキャバレーバーパーラーグリルカフェテリア

ちゃ‐てん【茶店】

ちゃみせ」に同じ。
左手の―から重助とお竹とが」〈嵯峨の屋・姉と弟〉

さ‐てん【茶店】

喫茶店きっさてん」を略していう語。
ちゃみせ。ちゃや。

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精選版 日本国語大辞典 「茶店」の意味・読み・例文・類語

さ‐てん【茶店】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 道ばたに設けて通行人を休ませ、茶菓・料理などを接待する店。茶屋。茶亭(さてい)。ちゃみせ。
    1. [初出の実例]「泊瀬(はせ)海道にして、茶店(サテン)を構へ」(出典:評判記色道大鏡(1678)一三)
  3. ( 「喫茶店」の略 ) 喫茶店をいう俗語。
    1. [初出の実例]「うちでやってるバーやサテンに、闇の洋酒なんかを世話してもらってるのさ」(出典:都会の狼(1966)〈高木彬光〉ジャックのカード)

ちゃ‐みせ【茶店】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 茶を売る店。茶屋。
  3. 通行人を休息させて、煎(せん)茶などをすすめる小さな路傍の店。かけぢゃや。茶屋。さてん。ちゃてん。
    1. [初出の実例]「国といふ女の、茶(チャ)みせより、かはゆらしき手してまねく」(出典:浮世草子男色大鑑(1687)七)

ちゃ‐てん【茶店】

  1. 〘 名詞 〙ちゃみせ(茶店)
    1. [初出の実例]「かたへの茶店(チャテン)にやすらへば」(出典:浮世草子・浅草拾遺物語(1686)序)

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改訂新版 世界大百科事典 「茶店」の意味・わかりやすい解説

茶店 (ちゃみせ)

茶を供して客を休息させる店。日本では中世後半に旅行者や参詣人を対象として街道筋や寺社門前などに発生したと思われ,《東寺文書(とうじもんじよ)》には1408年(応永15)11月に京都の東寺南大門前に一服一銭の茶を売る者のあったことを示す記録がある。初めは床几(しようぎ)の上に茶道具を置き,求めに応じて茶を点(た)てていたが,やがて菓子や酒食を供し,給仕女を置くような店ができて遊興的色彩を加え,多様な形態の茶屋を分化するようになった。街道筋の立場(たてば)茶屋や峠の茶店は旅行者の休憩施設として必須のもので,東海道草津宿の〈姥(うば)が餅〉や宇津谷(うつのや)峠の〈十団子(とおだんご)〉など,餅やだんごを名物とするところが多かった。京都の茶店は《雍州府志》(1682)によると,祇園社内の2軒の店と北野社門前の店に始まるとされ,〈二軒茶屋〉の名で知られた前者の〈祇園豆腐〉と後者粟餅は,江戸初期すでに著名なものであった。江戸では明暦の大火(1657)後,浅草待乳(まつち)山聖天宮門前の茶店が奈良茶(茶飯)を売り出して評判となり,宝暦年間(1751-64)には隅田川右岸の真崎(まつさき)稲荷社内の茶店が田楽売物にして客を集めた。つづく明和(1764-72)ごろからは笠森稲荷(谷中)や浅草寺の境内その他の茶店が美しい看板娘を置いて評判になり,笠森お仙,難波屋おきたなどは錦絵にも描かれてその名をうたわれた。
茶屋
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶店」の意味・わかりやすい解説

茶店
ちゃみせ

茶屋

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世界大百科事典(旧版)内の茶店の言及

【茶館】より

…中国の旧式喫茶店,日本の茶店(ちやみせ)にあたる。時代や地方や規模によって,茶園,茶社,茶室,茶肆,茶居,茶坊,茶寮,茶楼(2階建て)などの別称があり,さらに卓子(テーブル),椅子(いす)を備えた客席を茶卓,茶座とも称した。…

【茶屋】より

…客に茶を出して休息させる茶店(ちやみせ)から発展した各種の飲食遊興店をいう。江戸時代,旅行者を対象として道中筋に出現した茶店は,途中の休息所であったから,当初は宿場を離れた山中などに開店したが,しだいに宿はずれ(棒鼻(ぼうはな))にまで進出して,これを立場(たてば)茶屋と呼んだ。…

【水茶屋】より

…江戸時代,寺社の境内や路傍で往来の人に茶を供し,休息させた茶店の称。葉茶を売る葉茶屋と区別して,水茶屋といった。…

※「茶店」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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