デジタル大辞泉 「茶店」の意味・読み・例文・類語
ちゃ‐みせ【茶店】
2 製茶を売る店。茶屋。葉茶屋。
[類語]喫茶店・カフェテラス・茶房・レストラン・料亭・料理屋・食堂・飲食店・飯屋・菜館・飯店・割烹・割烹店・酒場・飲み屋・居酒屋・縄暖簾・ビヤホール・ビヤガーデン・パブ・スナック・クラブ・キャバレー・バー・パーラー・グリル・カフェテリア
さ‐てん【茶店】
2 ちゃみせ。ちゃや。
茶を供して客を休息させる店。日本では中世後半に旅行者や参詣人を対象として街道筋や寺社門前などに発生したと思われ,《東寺文書(とうじもんじよ)》には1408年(応永15)11月に京都の東寺南大門前に一服一銭の茶を売る者のあったことを示す記録がある。初めは床几(しようぎ)の上に茶道具を置き,求めに応じて茶を点(た)てていたが,やがて菓子や酒食を供し,給仕女を置くような店ができて遊興的色彩を加え,多様な形態の茶屋を分化するようになった。街道筋の立場(たてば)茶屋や峠の茶店は旅行者の休憩施設として必須のもので,東海道草津宿の〈姥(うば)が餅〉や宇津谷(うつのや)峠の〈十団子(とおだんご)〉など,餅やだんごを名物とするところが多かった。京都の茶店は《雍州府志》(1682)によると,祇園社内の2軒の店と北野社門前の店に始まるとされ,〈二軒茶屋〉の名で知られた前者の〈祇園豆腐〉と後者の粟餅は,江戸初期すでに著名なものであった。江戸では明暦の大火(1657)後,浅草待乳(まつち)山聖天宮門前の茶店が奈良茶(茶飯)を売り出して評判となり,宝暦年間(1751-64)には隅田川右岸の真崎(まつさき)稲荷社内の茶店が田楽を売物にして客を集めた。つづく明和(1764-72)ごろからは笠森稲荷(谷中)や浅草寺の境内その他の茶店が美しい看板娘を置いて評判になり,笠森お仙,難波屋おきたなどは錦絵にも描かれてその名をうたわれた。
→茶屋
執筆者:西村 潔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…中国の旧式喫茶店,日本の茶店(ちやみせ)にあたる。時代や地方や規模によって,茶園,茶社,茶室,茶肆,茶居,茶坊,茶寮,茶楼(2階建て)などの別称があり,さらに卓子(テーブル),椅子(いす)を備えた客席を茶卓,茶座とも称した。…
…客に茶を出して休息させる茶店(ちやみせ)から発展した各種の飲食遊興店をいう。江戸時代,旅行者を対象として道中筋に出現した茶店は,途中の休息所であったから,当初は宿場を離れた山中などに開店したが,しだいに宿はずれ(棒鼻(ぼうはな))にまで進出して,これを立場(たてば)茶屋と呼んだ。…
…江戸時代,寺社の境内や路傍で往来の人に茶を供し,休息させた茶店の称。葉茶を売る葉茶屋と区別して,水茶屋といった。…
※「茶店」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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