上座・下座(読み)かみざしもざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上座・下座」の意味・わかりやすい解説

上座・下座
かみざしもざ

上席末席のこと。日本においては昔は左が尊く、中国や西洋では右が尊いとされていた。お雛(ひな)さまは日本流では左側に親王、右側にお妃(きさき)がお座りになる。つまり向かって右に親王、左にお妃となる。しかしいつのまにか右側を尊ぶようになり、今日では右側に年長者をというのが常識とされている。日本座敷の場合、床の間があれば床の前が上座となる。次が向かって右、次が向かって左と交互になり、入口に近いほうが下座となる。民家では、いろりの奥正面を上座とし主人の座とする。洋室の場合は、正面マントルピース(暖炉)の前が上座となり、入口の近くが下座となる。椅子(いす)の場合、ソファ(長椅子)が上席とされ、肘(ひじ)掛け椅子を次席とし、普通の背もたれ椅子が末席となっている。車の場合は、後部座席進行方向右が上席となり、左が次席となる。主人が運転している場合は、助手席が上席となり、後部右が次席となる。ホテルやマンションのエレベーターは、外からみて左側が上席である。

[石川朝子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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