上植木廃寺（読み）かみうえきはいじ

日本歴史地名大系

上植木廃寺
かみうえきはいじ

• 群馬県：伊勢崎市
• 上植木村
• 上植木廃寺

[現在地名]伊勢崎市本関町・上植木本町

粕（かす）川左岸の台地上、標高七七メートルに所在。明治三八年（一九〇五）畑の開墾中、礎石と瓦が発見され、以後基壇状の高まりが三、四ヵ所あることから薬師寺式あるいは法隆寺式の伽藍配置と推定される飛鳥時代の寺院跡とされてきた。昭和五七年（一九八二）から開始された発掘調査で、伽藍中心部に版築基壇三ヵ所、すなわち西方建物跡（推定塔跡）と東方建物跡・北方建物跡の存在が確認された。また寺域については方二町の想定のもとに四辺にトレンチを入れたが、北辺・東辺・南辺では寺域にかかわる明瞭な遺構は認められず、西辺部で寺域とみられる幅一メートル、深さ五〇センチの南北方向の溝が検出され、さらにその西側七メートルで幅二メートルの浅い溝状遺構（道路状遺構）が並行して走ることも確認された。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」