勢多(読み)せた

百科事典マイペディア「勢多」の解説

勢多【せた】

滋賀県(近江(おうみ)国)大津市の地名。瀬田・勢田・世多とも書く。琵琶湖最南端の瀬田川流出口付近一帯をさす。古くから交通の要衝で,古代は近江国府,勢多駅の所在地。瀬田橋は壬申の乱の際の決戦場として登場し,その後も源平争乱や承久の乱などで攻防の舞台となった。後世瀬田唐橋(からはし)の名で知られる。古代に勢多荘,勢多御厨(みくりや)がおかれ,御厨からは鮒(ふな)や鮒ずしが朝廷に貢進された。中世に瀬田橋近在は橋本と呼ばれ,貢進を業とした贄人(にえびと)は橋本供御人(くごにん)と称された。在も東海道本線,国道1号,名神高速道路の各橋がかかる交通の要地で,瀬田川東岸に近江一宮の建部(たけべ)神社がある。→粟津橋本御厨

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世界大百科事典 第2版「勢多」の解説

せた【勢多】

現在の大津市瀬田付近をさし,《和名抄》に栗本(くるもと)郡勢多郷がある。古く《日本書紀》は天武1年(672)7月22日,壬申の乱での瀬田の戦いを記し,瀬田橋もすでにあった。勢田,世多とも記される。古代の近江国府,勢多駅の所在地であり,対岸の古市郷(現,大津市膳所,石山付近)とともに同国の中枢部であった。琵琶湖が宇治(瀬田)川に流出する水陸の要衝であり,壬申の乱や藤原仲麻呂の乱にも戦略的拠点であったように,早くから交通の中心地であった。

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