上田子村(読み)かみたこむら

日本歴史地名大系 「上田子村」の解説

上田子村
かみたこむら

[現在地名]氷見市上田子

古くは田子村であったが、のち上・下に二分された。北西南東南方に低い丘陵が広がり中間に平坦地がある。集落荒戸裏あらとうら谷内やち新道しんどうに分れている。「万葉集」巻一七に「多古の島」、同巻一八に「多胡の崎」、同巻一九に「多の浦」とみえ、田子の地周辺の風景を詠んだと思われる。尭恵もこれに関心をもち、寛正六年(一四六五)七月上旬、「善光寺紀行」に「彼家持卿興趣をのべ侍し田子のうらはいづくならん」と記し、文明一八年(一四八六)の「北国紀行」にも「田子の浦はいつちなるらん」と記している。なお建保三年(一二一五)一〇月の「順徳院御集」には「田籠浦」とみえる。「天文日記」天文一三年(一五四四)四月一八日条によれば「多胡光照寺」が当番にあがっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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