当番(読み)トウバン

デジタル大辞泉 「当番」の意味・読み・例文・類語

とう‐ばん〔タウ‐〕【当番】

順送り仕事の番に当たること。また、その番に当たる人。「炊事当番
[類語]受け持ち担当担任

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「当番」の意味・読み・例文・類語

とう‐ばんタウ‥【当番】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 順番に交代する仕事について、その順番に当たること。その番を担当すること。また、その人。特に、とまりばん、宿直などのことをいう場合がある。当。
    1. [初出の実例]「又六衛府舎人、皆須毎月結番、暁有警備、当番陪侍兵欄、佗番休寧京洛」(出典:本朝文粋(1060頃)二・意見十二箇条〈三善清行〉)
    2. 「生憎昨夜が当番でまだ大学から帰らない」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)
    3. [その他の文献]〔新唐書‐百官志三〕
  3. ( 纏(まとい)をかつぐ当番からの転か ) 江戸時代以後、町火消の各組のしるしとして用いられた纏のこと。
    1. [初出の実例]「『やあ是りゃあ当番(タウバン)だ、嬉しい嬉しい』ト纏(まとひ)を持ち悦ぶ」(出典:歌舞伎・茲江戸小腕達引(腕の喜三郎)(1863)中幕)

あたり‐ばん【当番】

  1. 〘 名詞 〙
  2. その役目の番に当たること。また、その人。とうばん。
    1. [初出の実例]「此月の講は其方があたり番成が、いかが、つとめ申さるべきや」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)四)
  3. くじなどに、当たった番号

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世界大百科事典(旧版)内の当番の言及

【世話役】より

…しかし,単なる順番で務める役ではない。順番の場合は当番とか宿(やど)という。したがって,世話役は組織内に常時存在する役ではなく,特別な事業をするときに,とりまとめ役として設定されることが多い。…

【番】より

…番数や交代勤務の方法はその勤務内容によって一定しないが,1年12ヵ月,1月30ヵ日,および1巡60の干支を配分する関係で,番は12か30あるいは60の約数で編成されている場合が多い。番制度による勤務に当たることを〈当番〉,これを勤めることを〈上番〉〈勤番〉などといい,その結番交名(きようみよう)を〈番文〉〈番帳〉,編成された一つの番の統率者を〈番長〉〈番頭(ばんがしら∥ばんとう)〉あるいは〈頭人(とうにん)〉などと呼ぶ。同一の番所属者は〈合番〉〈相番〉と呼ばれ,そこにはしばしば相互扶助,連帯の感情が認められる。…

※「当番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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