下与河保(読み)しもよかわほ

日本歴史地名大系 「下与河保」の解説

下与河保
しもよかわほ

余川よかわ川流域にあった国衙領。氷見北部地域の武家層は、建武政権崩壊後には、越中守護となった井上俊清・桃井直常に従い、時に南朝方とも結んで反足利尊氏闘争を展開し、ことに足利与党となった能登吉見勢らと戦った。観応三年(一三五二)五月、尊氏は能登の幕府方に対して越中の桃井直常方討伐を命じた。よって能登守護吉見氏頼は六月六日に越中に向けて軍勢を発し、「横河保芝塔下」(余川芝峠)に陣をとり、その地に攻め寄せた桃井方を破っている(観応三年九月日「得田素章代章房軍忠状」遺編類纂所収得田文書)。文和四年(一三五五)二月一一日には佐竹義篤が所領下与河村を嫡子義香に譲っている(「佐竹義篤譲状案」佐竹家蔵古文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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