下佐久間村(読み)しもさくまむら

日本歴史地名大系 「下佐久間村」の解説

下佐久間村
しもさくまむら

[現在地名]鋸南町下佐久間

岩井袋いわいぶくろ村の北、龍島りゆうしま勝山かつやま両村の東に位置する広域の村で、佐久間川が蛇行しながら西流、龍島村で海に注ぐ。勝山村と岩井袋村の間に、海に面する飛地(水浦・鬼出ノ越・昼正)がある。当村の北東に佐久間村(江戸時代初期に佐久間中村・佐久間下村などに分立)があり、中世には当地一帯は下尺万郷、佐久間一帯は佐久間郷と称された。

〔中世〕

文永八年(一二七一)と推定される年月日未詳の二階堂行氏所領配分状断簡(二階堂文書)に「北郡内下尺万郷」がみえ、政所執事を世襲した二階堂氏の所領で、このとき「要島」とともに万寿御前に譲られた。下佐久間の臨済宗建長寺派天寧てんねい寺は二階堂行盛の開創と伝える。また下尺万真福しんぷく寺では元徳二年(一三三〇)や貞和三年(一三四七)聖教「竜女の教化」が伝授されている(金沢文庫蔵「竜女の教化」奥書)。暦応二年(一三三九)と推定される六月一三日、「下尺万」は加賀国軽海かるみ(現石川県小松市)と交換され、金沢称名寺領となった(「沙門杲照書状」金沢文庫文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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