日本歴史地名大系 「安房郡」の解説
安房郡
あわぐん
房総半島の南端にある郡。北東に鴨川市、南西に館山市があり、明治三〇年(一八九七)には両市を含む地域、すなわち旧安房国四郡の全域が合併により新たに安房郡として成立した。江戸時代の四郡は、安房国北西部の
古代の安房郡は、原始・古代より大地震などに伴うとみられる地盤の隆起が激しく、今から六千年くらい前の縄文時代前期の頃と比べると約二五メートルほど隆起していると考えられている。とくに元禄一六年(一七〇三)の大地震の際は三―四メートル、大正一二年(一九二三)の関東大震災では二メートル前後の隆起があったことから、古墳時代から奈良・平安時代にかけての館山湾(鏡ヶ浦)から白浜町にかけての海岸一帯は少なくとも現在の標高五メートルくらいの所まで海であったものと考えられ、海岸部は古代と現在では景観がまったく異なっていたことが想定される。
〔原始・古代〕
縄文時代の海食洞穴を利用した遺跡が多く知られ、なかでも館山市
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報