下布野村(読み)しもふのむら

日本歴史地名大系 「下布野村」の解説

下布野村
しもふのむら

[現在地名]布野村下布野

布野川沿いの南北に細長い沖積平地に立地。北に隣接する上布野村を併せて、「和名抄」の三次みよし布努ふぬ郷にあてられる。中世の諸文献には「府野」と書く場合もある。元和五年(一六一九)の備後国知行帳には「下苻野村」とあり、高八八九・五〇六石を記す。

水田のほとんどは布野川とその支流の井手関に依存し、干損の憂いはなかったが、「肥草之義郷中ニ寄候ハ山所ヘ壱里余も有之、都山所遠ク心ノ儘ニ苅得不仕」(国郡志下調書出帳)とあり、また「農余浮儲類無御座候、尤冬春作間之頃、焼炭仕或松やに抔三次持出渡世之足ニ仕、且又木綿類ハ銘々着用已ニ売用ニハ一切不仕」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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