下津井節(読み)しもついぶし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「下津井節」の意味・わかりやすい解説

下津井節
しもついぶし

岡山県の民謡瀬戸内海に面した児島(こじま)半島南端の下津井港(倉敷市)を中心に歌われてきた。下津井の港は、かつては讃岐(さぬき)(香川県)の金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん)へ参る金毘羅街道の終駅としてにぎわい、四国へ渡る船もここから出ていた。一方、大阪を出て瀬戸内海を通り、下関から日本海を回り、北海道の松前へ行く北前船(きたまえぶね)も、この下津井に寄港していた。そうした金毘羅参りの客や北前船の船乗り相手に、酒席騒ぎ唄(うた)が歌われていた。その唄がいまの下津井節の原型、瀬戸内海の港で歌われていた『トコハイ節』である。しかし歌詞が平凡で卑猥(ひわい)なところも多かったので、昭和の初めに新しい歌詞をつくり、1931年(昭和6)NHK岡山局の開局記念の際に電波にのってから、一躍、県を代表するまでの民謡になった。

斎藤 明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「下津井節」の解説

下津井節

岡山県倉敷市の民謡。下津井地区で歌われる酒宴唄。

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